二枚の偏光板を使って、透明なお菓子の袋などを虹色にする仕組みはご存知でしょうか?
偏光の原理というのでしたか?
この仕組みを使った万華鏡を23年作ってきましたが、上手に説明することは出来ません。
例えばアクリル板、キャストといってストレス無く製造されたアクリル板は、偏光板を通しても色づきません。
しかし、温めて引っ張ると、その力によって組織に位相差というモノが生まれ、それが色として現れる。
何となく、そのように解釈しています。
プラスチックなどを成形するときは、大抵熱してプレス成形するので、綺麗な色を見せる物が意外と多く、試してみるととても楽しいものです。
ストレスが色として現れるとも言えそうですが、力がもたらした色と表現する事もあります。
この色は不思議な変化をします。
例えばセロテープ。1枚では大した色にはなりませんが、2枚3枚とどんどん重ねていくと、アッと驚く色ができます。
そして、その色同士を重ねて出来る色がまた不思議。どうして?という色ができます。
そして、偏光板に対する角度で色が変化するし、偏光板自体の角度を変えても不思議な変化をしますから、不思議のオンパレードな訳です。
もし私が万華鏡作りをやめても、偏光先生として学校巡りでもすれば、面白がられるだろうなーと思っている程です。
殆どの人は、偏光の本当の面白さについて気付いてさえいないように感じます。
それでも、偏光って面白い〜なんて声も聞こえるのですから、大変奥深い原理だと思います。
昔の日本人は、お嫁さんに白無垢を着せて、旦那さんに染めて貰うんだよーなんて言ったらしいですが、私に言わせれば、白無垢なんてふざけるな、透明フィルムが良いだろうと考えます。
いや、透明フィルム着たらスケスケで見えちゃいますから、そういう事ではなくて、
もし、私が生徒指導教員だとしたら、あなた達は透明フィルムだよと教えます。
みんな同じように見えるかもしれないけれど、偏光板でかざしてみれば、それぞれが色んな色を持っているんだよと。
一色しか出来ない子もいるし、色んな色ができる子もいるでしょう。ある角度だと一番鮮やかな色ができて、大抵ある角度では見えなくなってしまう。
二つ重ねて、驚くような色も作れるし、角度を変えれば、打ち消しあってモノトーンにもなる。
どの場面でどの色を使って生きていくかが、人生の選択なのかもしれないね?と教えたい。
偏光の面白さは、重なりによる意外性。
同じ色同士が重なって、全く違う色が出来たりもするのです。
自分がどんなに地味な色だとしても、みんなにとても大きな影響を与える事も可能な世界。
但し注意しなければいけないのは、色んな色が合わさって、面白い色は出来ますが、重ね過ぎると、色が無くなっていくという事。
大人数の会議のような、意味のない集まりになってしまうのです。