万華鏡はどんなジャンルに属するものなのか?
というような疑問を持つ事もあります。
芸術?アート?工芸?クラフト?ホビー?
万華鏡界以外の繋がりの中では、どうも違和感を感じてしまったりします。
私は作り始めの頃、よくアートイベントやクラフトイベントに参加しましたが、どこでも少し浮いていて、そういう事をキッカケに面白がって貰えていたように感じます。
木、陶、ガラス、金属、革、などと素材の良さをシンプルに活かす仕事をされる作家さんに混じって、その他 万華鏡となるしか無いですから。
販売では、特に出品者さんが購入してくれるという事が多くありましたので、伝説になっているような、お客さんよりも作家さんの方が多い大失敗イベントでも、そこそこの売り上げだった記憶があります。
そもそも子供のオモチャとして広く認知されている万華鏡ですから、作家が出てきて本気で作るような事は、何だか面白過ぎるのかもしれません。
存在が近い物ではオルゴールがありますが、オモチャという感覚よりは、工芸品か、装置?機械的なイメージですから、万華鏡の地位向上というのは、マイナスからのスタートといってもいいと思います。
万華鏡のイメージを良くしたい。
万華鏡なのに何万円??高いなぁ!そういう状態から脱却したいという気持ちも勿論ありますが、そこが面白いというような気もします。
本当に気に入った人だけが清水の舞台に上る事を考え始め、ゆっくりと足を進めて、確信し、選び、えい!と飛び降りる。
そして、家に持ち帰り愛でても愛でても物足りない程の方は、バンジージャンプの如く飛び降りたくて集まって下さる。
その頃にはきっと、飛び降りるというよりは、山に登るような感覚かもしれません。
お金持ちが物珍しさで競うように買っていくような万華鏡ブームよりは健全ですし、長期的に見て良いように感じます。
アメリカでの万華鏡ブームがそのままいきなり日本にやってきたからこそのギャップなのでしょう。
もしかしたら、万華鏡のジャンルとして、今一番しっくりくるのは、「手作り品」なのかもしれません。手作り万華鏡って言葉はとてもしっくりきます。
そういうステップを踏んで、徐々に子供のオモチャとは違う万華鏡があるんだという認知が徐々に広まるとイメージも違うのかもしれません。
要はそのような価格になる妥当性がどれほどあるのか?という事を理解して頂くと話が早いのでしょうか。
仕組みを何となくでも理解して貰って、いくつもの素材や部品を組み立てる複合的で装置的な造形物である事。ちょっと大袈裟ですが
大量生産されるような部材を使う部分が限られる事、これは大量に作る事を前提にしていない作家の場合は特にそうですね。
また、それぞれに正確さや美が求められるので、気を抜けない作業であり、時間が掛かるというか、いくら時間を掛けてでも、表現したい世界があるのだという事。
ですから、ある程度の値段になってしまう事は最低限理解して頂いて、その上で、高い安いはその成果である、作り上げる世界観で評価されるべきなのでしょうね。