細野朝士の万華鏡よもやま話

ときどき書きます

価格設定について

私は何を作るにしても、好きな物を、用途をしっかりと考えて、誠心誠意作っていけば、生計が成り立つ筈だと思い、そう願ってこの仕事を始めました。

ですから、生活が続けていける価格設定にする事は最低条件と考えています。

材料費は勿論、設備費や光熱費、制作にかける時間を計算しなければなりません。

仕事には材料購入にかける時間や、営業の時間も含まれる訳ですから、無理なく月に20日程度で製作できる万華鏡の本数を割り出して、生活に必要な金額から割るような計算のもと、決まるものだと思っています。

私のように計算し尽くして始めた万華鏡作家としての生活。ある程度計算通り順調に進んできた面の方が多く感謝しております。

このコロナ禍で色々と大変ですが、私は丁度研究に没頭出来ましたので、なんとかなる筈と考えてはいますが、もっと計算外だったのは、際限ない向上心の問題です。

もう少しの向上を常に考える事で、今手元にある作品を仕上げられない。

私のような、簡単な作り方の物でさえ、計算したくない程の意味のある無駄を求めてしまいます。

大切に万華鏡を作っている方は、このような事を繰り返してきたのだろうと容易に想像できました。

ですから、私のような計算などしてたらやってられない。気持ちの問題のみ考えて価格設定されるのではないか?

だからあまり高くしたくないと仰るのではないか?

そういう考えを持つに至りました。

安い安いといつも文句を言ってるように映るかもしれませんが、それは敬意の裏返しであります。

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