細野朝士の万華鏡よもやま話

ときどき書きます

思い出しました

手間を掛けるといえば、私昨年から作業の手間が圧倒的に増えました。

増えたって言っても、普通の作家は誰でもしている事なのかも知れません。私が軽視していただけなのでしょう。


私は何かを教わるという事を極端に嫌うところがありまして、そんな事から全てが自己流となってしまう訳です。

学ぶ場で教えて貰う筈の、常識的な知識の中には長年培われた大切な事がきっと凝縮されているのでしょう。

その当たり前が全く無いのが私でして、私がやっている事をもし知られたら、恥ずかしくてとても街を歩けないような事も多々あるものです。まぁ田舎暮らしですから、その辺は安心なのですが…


万華鏡作りの工程でも、えー!って絶叫されてしまうような工程がきっとあるのだと思います。


前置きが長くなりましたが、私は昨年から制作の工程で頻繁にアルコールを用いるようになりました。

このキッカケは、銀座での個展です。正しくは綾花さんとの二人展の終了間際です。

彼女は荷物をまとめ終わり、メンテナンス用のアルコールをしまい忘れた事に気付きました。正しくは、しまい忘れたフリをしたのでしょう。

そして私に、このアルコール使って貰うか、捨てて貰っても良いですか?というのです。


私はピーンときましたよ。


いい加減アルコール消毒くらいしましょうよ!

そう言い出しづらい彼女は、自分のミスを装って私にアルコールを持たせたのです。


私は彼女にそんな小芝居をうたせてしまった事を恥じました。


私の作業部屋にやってきたアルコール。貧乏性な私でも飲む訳にはいきませんから使ってみます。一度使ったら、それやらなくちゃまずいような気がしてきちゃうじゃない。


そんな経緯から、アルコールで拭くという工程が様々な場面で加わった訳で御座います。