細野朝士の万華鏡よもやま話

ときどき書きます

パドック

急に思い立って木の板の加工を始めました。

万華鏡の展示台です。

 

最近、お客さんから展示台を売っては?という提案があり、それをキッカケに頭にはありました。

 

木の加工は好きです。しかしそれを売るという事はあまりしてきませんでした。

それは、時間を凄く掛けてしまうという事から、ある程度高額にせざるを得ないと思うからです。

 

しかも、木の加工を始めると、疲れを忘れてやり続けたくなってしまいます。依存症か中毒のように次のステージに進みたくなるのです。

他の作業に目も向けなくなります。

 

木の台のニーズがどれだけあるか?は分かりませんが、取り急ぎ4つ加工を始めました。

 

初めの作業は、外形と穴の配置のデザインを決める事。穴の大きさは万華鏡のサイズ毎に違いますから、どのようなタイプの万華鏡を何本立てるか?と想像しながら決めます。

 

今回選んだ板は、20年程前に購入したパドックという木。赤く甘い香りのするアフリカの木です。

 

板を切り、穴を開けたら、好きな曲面を作ります。

背の高い万華鏡は深く、低いのは浅くても良いという思いから、何となく自然とシェイプが決まり、削っていきます。

薄めの板の加工ですから、大して立体的に出来ませんが、出来るだけ魅力ある造形になればという気持ちで、自分の癖メインであまり迷う事なく削りますが、自分なりの辻褄が合わないと気に入らないので、流れを意識しながら荒削りです。

機械を使うのはここまで。

 

ここまでで凡そのデザインが決まってしまうので、大事な作業ですが、まだまだゴツゴツしていて綺麗な形ではありません。自分で形の意図が分かる程度の仕上がり。

 

これからは、角を取ったり角を見せたり、ひたすら紙やすりで削っていきます。

 

#40から始めて、最後には#2000で磨くのが常。段々と曲面が見えてきてツルツルに、そのうちに木目が際立ってきて止まらなくなりますが、左手の親指は常に火傷しながらの作業。

やすりがけの際の摩擦熱での火傷です。

どんなに痛くても、水膨れが出来ても止めようとしないのですから、我ながら大した執念です。

やすり中毒と言って良いでしょう。

 

 

木の粉はこんな色。オレンジ色?

作業の後、手を洗うと出血してるのか?と思うような赤い水となります。

 

作業を初めて二日目。

#100で削った段階です。

今日はここまで。