細野朝士の万華鏡よもやま話

ときどき書きます

2020 幻 について その2

偏光のやり直しには、もう一つの伏線があります。


今年の秋に仙台万華鏡美術館で予定されている四人展。


赤津さん 佐藤さん 細井さん と私の四人展なのですが、折角ならばコラボもありかと、随分前から話し合ってきました。


やっつけ仕事のコラボはやりたくないという事で、合宿までして打ち合わせ。


佐藤さんとはコラボした事があるので、いいのですが、細井さんと赤津さんの繊細な世界に、どう合わせられるのか?

今までのやり方だと、世界観をぶち壊すことにしかならないので、様々なアイデアの試作をしてみたのですが全滅。


そんな流れで、偏光の可能性を探ることになったのです。


まぁ光の入れ方からして、違いますし、結局私は透過光にするしかないとなって、柔らかな色、上品な変化を探る事にしたのですが、なんだかんだ、サイケな方面に向かってしまったという訳です。


しかし、そのお陰で偏光の違う使い方も覚えて、可能性は広がったとはいえます。


コラボは時間が掛かるので、秋までに何とかなりそうな気はしませんが、展示会自体は行われる予定です。


私の信頼している御三方との展示会。

こちらもどうぞ宜しくお願いします。

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2020 幻 について

今年こそ、本格的に仕事を再開させると

年始の度に、誓いを立ててきたのですが

ここ数年、実行される事はありませんでした。


子供が生まれてから、生活リズムが変わり、優先順位もスッカリ変わり、万華鏡作りは生活するための手段となっていました。

それを、ガラッと変える事は、なかなか出来なかったのです。


今年の決意は本物で、

「初心にかえり、思った事を直ぐに実行する年」

としました。


決めた瞬間、おとそをヤメて、ビールを飲んでやりました。

これが美味かった。


初心にかえるということで、偏光も一からやり直す事にしました。

一度、今までやってきた事を忘れて、まっさらな気持ちで偏光に向かう事にしたのです。


するとどうでしょう。楽しくて楽しくて。


いままで、勝手に手が動いて出来てしまう万華鏡が、

自分の選択、考え、行動で全然変わる!

色んな可能性に心躍りました。

正に、初心に帰れた瞬間です。


これが、2020  幻の始まりです。


どうして、このネーミングなのか、お教えしましょう。


今年は、偏光の研究をする年として、ある程度のレベルになったら、製品とすることにしました。

つまり、今年限定の試作品であります。

これを繰り返すとどうなるでしょう?

偏光の研究は、いくつかに枝分かれし、さらに細分化され、それぞれに製品化されては次第に淘汰されます。


来年には、何種類かが新作として残るでしょうが、殆どの種類は消えるでしょう。

つまり、本当の意味で幻となってしまうのです。

これも、一期一会。

今しか見れない万華鏡かもしれないのです。

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運良く来年に残ったとしても、価格設定は変えざるを得ないのです。これも今だけ

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決して、偏光について一考

IKKO?  

まぼろし〜!

ではないのです。


<重要>個展での販売方法につきまして。

前々回、よもやま話 その15 からの流れを受けて、今回の個展では初めての売り方をしてみたいと思っています。


お店で安心してお買い上げ頂けるよう、折角定着している販売価格ですが、

展示会中、個展会場となるギャラリーに限り、自ら崩してみます。


1本1本自分の評価で価格付けしてみようと考えているのです。

陶芸家が、焼け方を見て価格を決めるような感覚です。

具体的には、2020幻タイプであれば、通常

¥15000+TAX  =¥16500となっておりますが、目安として¥10000〜¥20000+TAXにしてみます。


それでも多分¥14000〜¥16000+TAXの価格帯が多くなると思われますが、中にはお宝もあるという感じ。

そのお宝が、¥10000の物なのか?¥20000の物なのか?は、お客様の判断にお任せ致します。


私と価値観や見方がちょっと違うという方には、最適な場になるのではないでしょうか。


また、個展中は自ら直接販売致します関係で、

現金取引ですと大変助かります。

時代に逆行しているようで申し訳ありませんが、お詫びの気持ちを込めまして、現金にてお支払いのお客様には、消費税は頂きません。


わかりづらく身勝手な売り方で、ご迷惑をお掛け致しますが、

私の万華鏡につきましては、そのようなルールで臨みたいと思います。


何卒ご理解の上、お越し下さいませ。


尚、二人展期間 ゲストの方もご自身で直接販売していただきます。中にはキャッシュレス決済も出来ます!という方もいらっしゃいます。

どうぞ、作家毎のルールでお買い上げ下さいます様、お願いいたします。

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繰り返しになりますが、通常価格と異なる事、現金購入で消費税無しは、私の万華鏡の販売ルールとなります。

作家により、販売ルールは異なりますので、ご注意下さいませ。




万華鏡よもやま話 その16

前回、どうしてネットショップで買うのですか?というような事を書きましたが、遠方にお住まいで、近くに専門店が無いという方が、致し方なくというケースも多いのだろうとも思います。申し訳ありません。


また、作家やショップもネットショップしやすいように動いてきた事も事実です。


ある程度分かりやすくシリーズ化し、価格を統一して、品質も均一に出来るよう努力して参りましたし、写真や動画で作品が伝わる努力もしてきたでしょう。


当初は、万華鏡をネットで?

それは難しいでしょう〜(笑)

みたいな感じでしたが、次第に時代が変わっていたんですね。


そんなお陰もあって、今回のコロナ禍でも最悪の事態を免れているのですから、感謝しなければならない面も当然あります。


しかし、やはり作り手の正直な気持ちでは、直接手に取る機会が、もしあるのでしたら、そちらで気に入った物をお買い上げ頂くのが一番だと考えています。


ショップや作家も、直接販売できる機会を作る努力が必要なのかもしれませんね。

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万華鏡よもやま話 その15

万華鏡好きの皆様、万華鏡はどちらで購入されますか?


アンケートをとるまでも無く、どうやらネットショッピングで購入される方が増えているように感じているのですが、違いますでしょうか?


万華鏡を実際に見ないで買うなんて、本当に勇気があるなーと思います。

逆に言えば、それ程の思い入れも無いのでしょうか。


万華鏡は、1本1本違いますよ。


でも、万華鏡って同じ模様が出ないんだから、同じって思ってもいいんじゃ?っていう方もいらっしゃいます。


でもその理屈って、自分のお気に入りアイドルを選ぼうとする時に、人って同じ表情って無いよね。だから誰でもいいや!

って理屈と一緒です。


そんな事言われたら、作家は何の為に努力してるのか、分からなくなっちゃう。


同じように作っても、似た具材だとしたも、やっぱり個性があって、1本1本違うんですね。


私の場合正直に言えば、イマイチだけど、まぁいっかというものから、これ凄くいいな!手元に置いておこうかな?って物まであります。


私は意地悪だから、

「どれでもいいから1つ下さい!」

って言われたら、

この人は思い入れが無いんだろうと判断して、迷わずイマイチのを渡すと思います。


そんな訳で、作り手としては、実際に見比べて頂いて、これだ!って思える物を購入して欲しい、そして末長く楽しんでいただきたいと常に願っています。

そう考えるからこそ、より良い万華鏡にしようと努力できるのです。

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万華鏡よもやま話 その14

万華鏡とはどんな物でしょうか?


鏡を使って幾何学模様を作る仕組み。

綺麗な物や、不思議な仕組みを増幅させて、大抵の人が共有できるような美しさを作り出す装置?


私が仕事として万華鏡を選んだのも、こういった大衆性?誰とでも分かり合える美があるからだと思います。


しかもそれは、日本では単なる子供のおもちゃとして認識されている。


そういう事も含めて、私にとってやりがいのある仕事だと思いました。


また、当時日本の専門店にある万華鏡は殆どがアメリカ製で驚くほど高額でした。ちょっとお土産に買って行こうと思っても手が出づらいくらい。おもちゃっぽい物でも、それなりの価格でした。


とても魅力的に感じましたが、よく見ると当時はミラー組みがあまい物もちらほら

私が万華鏡を作り始めるのに十分過ぎる条件が重なっていたように思います。


初めて昔館を訪れてから、25年くらい経ちましたでしょうか?


今では、日本製の万華鏡も随分と増えて、お土産に適した安いタイプも少なくない。

当時思い描いた理想に近付いている筈なのに、当時程の夢を感じないのは、私が慣れてしまったからなのでしょうか?


今後の25年も、万華鏡専門店は万華鏡愛好家が集い、どなたかに夢を与えるような場所であって欲しいと願い、自分には何が出来るのか?出来ないのか?

今はじっくり考える時期だと考えております。

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万華鏡よもやま話 その13

以前、2ミラーは二等辺三角形にミラーを組むと書きましたが、実は私は二等辺三角形は目指しません。


キチンと組むに越した事はないのかもしれませんが、私は何がどれだけ大切かを美意識と照らし合わせて、優先順位の低い事に関しては、効率を優先させてスパっと切り捨てるということをよくするように思います。


ミラー組みは、あまりガチャガチャ動かさない方が良いのだから、出来るだけ簡単に、ストレス無く組む事を優先させています。

ストレスというのは、私の心の事もそうですが、ミラーのストレスもあります。


キチンとしなければいけない要素が多い程、時間を掛けて調整しなければいけなくて、ある程度、力で強引に角度を変えようということもあり得ます。それがミラーを傷めたり、ミラーを歪ませる原因になります


そんなことで、例えば5ポイント映像を作る時、普通に二等辺三角形に組むと、正十角形を目指す訳ですが、私は五角形っぽくします。

直角三角形を目指しつつ、直角にこだわらない感じで、あくまでも36度を最優先に考えます。



書きながら、二等辺三角形を目指した方が実は効率が良い事に気づきました。


これでは、支離滅裂です。

でも、やはり二等辺三角形を目指そうとは思いません。


どうしてでしょう?違う理由がある筈です。


例えば、4ポイント映像を作るとします。

二等辺三角形に作るという事は、正八角形を目指すという事。

直角三角形に作るという事は、正方形を目指すという事。

私は、正方形の方が潔いと思うし、もし多少ズレたとしても、それぞれ魅力ある形のように感じています。

それに対して、正八角形が多少ズレると、魅力が薄れるように思うから?


どうも狙いがズレた時の事を考えて、決定している面もありそうです。


つまり、ズレてしまったように見えるか?敢えて狙ったように見えるか?

そんな事を考えて決定していた自分に気付く事ができました。


そんな訳で、いま私にとって3ミラーを組むよりも、2ミラーを組む方が数倍楽な作業です。

これも、いつか考えを変える時が来るのかもしれませんね。

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万華鏡よもやま話 その12

時々、万華鏡界にもアントン・イーゴのような辛口評論家が必要なのでは?と思うことがあります。

万華鏡を愛していて、美しい万華鏡しか覗くことが出来ないのだという方。


この業界は、万華鏡好きで、優しい方々が多いから、良い所だけを見ようとする傾向があるように感じています。

褒める以外の意見を言うこと、ましてや批判する事などタブーのような雰囲気があるように感じるのは私だけでしょうか?

万華鏡=綺麗な物で、人を幸せにするものであって欲しい。

一緒に作って、褒め合って笑顔になればいいじゃない。

作り手の感性こそが大切で、何でも自由でしょう。

結局、自分が気付いて変わるしかないのだから…


なるほど、何となく分かるような気もします。


きっと、私の性格が悪いだけなのでしょう。



お客さんが万華鏡体験で自分で作った万華鏡は、それは特別なもので、その体験含めて人生の宝物になって欲しい。そういう気持ちは私にも分かります。


でも、それと作家が作った物が同じレベルではまずいのかな?とも思います。


同じ素材で同じ作り方で、難しい所はある程度手伝ってあげて、

さあ、作家はそれでも別格の万華鏡が作れるでしょうか?

普通の万華鏡を作ったことない私は、正直自信がありません。


でも、できる自分でありたいと思います。


話が逸れておりますが、やはり批判をするには、それなりの信頼関係が必要なのだとも思います。


そうじゃないと

「貴方作るの下手ですね。」

「あなたのこそ下品だわ!」


単なる悪口大会になっちゃう。でも何だか楽しそうな気がするのは私だけかな…

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万華鏡よもやま話 その11

再びミラーの話に戻します。


一番難しい組み方はどんなだろう?と考えた時、まず鈍角にキチンと組むのは難しいなと。


殆ど必要無いし、あったとしても許してねという気持ちで組みます。

効率を優先してしまう私の現状ではありますが、


次は、直角が難しいのかな?と思います。

無限に重ならずに広がるパターン4種類の内、3種類は直角が入ります。入らないのは正三角形だけですね。


寸法が同じ3枚のミラーを同じ角度で組む正三角形は基本の組み方なのでしょう。

覗く部分も大きく取れるし、安定している形。


あまりにオーソドックスなので私はあまり作りませんが




そんな訳で難しいのは、直角だけで構成される長方形でしょうか?

いや、細かく言えば、寸法を守らなければならない正方形、しかもテーパードかな?と


しかし、あくまでも基本的な組み方の中での話です。

ドンさんのような計算しつくされた組み方はきっとレベルが違う難しさのようにも思うのですが、

未経験の為、不明です。

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万華鏡よもやま話 その10

なんだかんだと、偉そうな事を書いてきましたが、私は偏光専門でちょっと部外者的な立場のように感じます。


それに、そもそも商売ありきで仕事として万華鏡を選んでいるし、作りも簡単にしていますからスタンスが随分違うのかもしれません。


それでも、それなりに長い間この業界に携わり、次第に万華鏡愛が育ってきているように感じます。


単なる物珍しさで、器用な方が売るためだけに作る、なんちゃって万華鏡や、万華鏡そのものよりも売り方が上手な人を見ると、なんだかなーと感じるようになってきています。


以前の自分であれば、まだこんなの作ってる人がいるんだから、暫く安泰だな…なんて安心したものですが。


人は影響し合って変わるものですね、


今年、私の万華鏡も随分変わりました。

中身だけですが…

何が変わったか分からないという人は、いるのかな?というくらい変わりました。


是非一度見てやって下さい。


最後は結局宣伝になりました。


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万華鏡よもやま話 その9

前回では、オブジェクトが多過ぎると良くないような事を書きましたが、要は適量があるように思います。


ドライタイプであれば、分かりやすく下に溜まって、ミラーの手前に丁度オブジェクトが来るように。

ミラーよりも上に積もってるのは、光を遮ってあまり良い働きをしないのかも。

あまり沢山入れると、動きも悪くなりますし。


こだわる方は、奥行き2ミリ程度のオブジェクトケースに、繊細なオブジェクトを重ならないように計算して作られるようですよ。

きっと、オブジェクトの配置によっても変わるのでしょう。悩みに悩んで一つのオブジェクトケースに一日以上試行錯誤を繰り返す事もあるとか。

マジかー


では、オイルタイプはどの程度入れましょう?

万華鏡通は知っているでしょう、覗いだ時には真っ暗、そのままじっとしていると、ゆーっくり現れて、詩か、歌だかを奏でてまた消えてゆく、途中でゆっくり回してもよし、消えてから、180度回転させるもよし。

一つの物語のように展開される万華鏡。

多くの作家さんが参考にしているのか、近い感覚の作品が増えたなぁと思います。


しかし、同じようにはいかないですね。


オブジェクトの形状から落ちる速度をある程度計算されて、あの大きさの万華鏡がその作家さんの答えだったようですね。


作り手が変われば、理想も変わるだけなのかもしれませんが…


いずれにせよ、明確な狙いがある万華鏡は、清々しいものです。


バランス感覚で作られる方もいるでしょう。

その中にも、何となくバランス良くできてるなというものから、絶妙なバランスで構成されるものまであるように思うのです。


そういった、違いを楽しまれるお客様が、作家を育て、万華鏡の価値を押し上げる事もあると思います。


そのためにも、まず作家がしっかりとした狙いを持って作ることが大切ですし、それがモチベーションにも繋がるのではないでしょうか。


とある思想家だったでしょうか

「私は、楽しいという思いだけで作られた万華鏡は信じない。」

真顔でそう仰ってましたね。


ちょっと何言ってるかよく分からない名言です。


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万華鏡よもやま話 その8

良い万華鏡とは、どんなものでしょうか?


覗いだ時に綺麗でね、回すと更に綺麗で、ずーっと綺麗なの。


これが最高の褒め言葉でしょうか?

それも一つの成功なのかもしれませんが


綺麗とはどんな風に?


とにかく細かくて、いつも色んな色があって…


だとしたら、その万華鏡は飽きやすいかもしれません。


細かな色んな色が動いているだけだとしたら、全体のイメージがあまり変わらないでしよ?

写真に撮ったら、いつも同じ感じになっちゃう。


その世界観が好きで、動きながらいつもその世界観が展開されて包まれるよう。


まるで、天国にいるような感じかもしれませんが、それも唯一の答えという訳ではないでしょう。


好みの問題ではありますが、

私は晴天ばかりだと、それが当たり前になって、ありがたみが薄れるように思うのです。

晴天のあと、雨乞いしたり、突然の雷に驚いたりそんな日常も満更ではないように思っています。


ですから、美しさを常に意識しながら、うつろいながらの大きな変化や、時には驚きの要素を入れたいと思っています。


欲張り過ぎも危険なのですが…


作家それぞれが、自分の武器を最大限に活かして試行錯誤したいものです。


自信の無さがオブジェクトを増やして、ケースを満たし過ぎてしまわないように、自戒を込めて。

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万華鏡よもやま話 その7

今回は3ミラーについて書いてみます。

3ミラーに組むと、同じパターンが無限に広がる模様を作る事ができます。


綺麗に重なる事無く広がる組み方には、どんなものがあるでしょう?


3ミラーでしたら3パターンしかありません。

お馴染みの、正三角形と、三角定規の2種類だけです。


あとは、4ミラーの正方形を含む長方形。


思ったより少ないのです。


しかし、3ミラーとして多くの人が作りたがるのが、二等辺三角形のように思います。


この組み方は、通常の繰り返し模様ではありません。2ミラーで作られる模様が周辺に重なり合いながら広がる模様となります。

重なり合うことで、大きな唸りのような動きが表現できるので、とても人気があるようです。


人気があるから、多くの作家が作ります。


昨今の万華鏡界、この二等辺三角形しか作らないような方もいらっしゃるのかもしれません。

この組み方は、出来る映像の派手さ故、多少下手に組んでも、然程目立たないといった利点もあるように思うのです。

中には、キチンと組む気があるのかな?

何が正解が分かってるのかな?と思ってしまう事も少なくありません。


そんな中、この組み方でとことん綺麗に組む方もいらっしゃる。それだけで意識の高さが際立ちます。


そういう方が一人でも増える事を願っています。

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万華鏡よもやま話 その6

万華鏡は、次同じ模様が出るのは何百億年後とかいう話を聞いた事があるでしょうか?
これは、一体どんな万華鏡についてどのような設定で出された数字なのか調べるつもりもありませんが、こういういい加減な数字をそのまま鵜呑みにして、
「万華鏡とはそういう物なのだ」と説明できる人ってどうなのでしょう?

回し方によって時間なんて変わるものですし、例えば高速で回したら、遠心力で模様が変わらないとか、覗いた瞬間真っ暗で、数分後また真っ暗になりましたなんて事もありますよ。

単なる揚げ足取りになっておりますが、
それを聞いた人に質問されても、きちんと説明できないような内容なのですから、
「ある学者さんが計算したら、何百億年って出たらしいですよ。ハハハ ホントですかね?」
くらいに使うべき数字かな?と思う訳です。

ある程度、実際の数字にした方が説得力が増すこともあるでしょう。でもね、
「この模様はさっきと0.5mmズレてる」とか
「ここの光の加減が何ルクス違うでしょ」とか
そんなのどーでもいいわけ!
どーでもいい事を細分化し、訳の分からん数字をいじった結果そういう数になったらしいというだけの事。

第一、一秒前の映像を明確に覚えていますか?
いかにその数字が実態とかけ離れた、意味の無い数字か解りますでしょ?

そうした言葉に弱い夢のある人、そういう人をコロっとさせたい口のうまい人
こういう方の存在を否定までしませんが、
万華鏡の紹介の仕方、売り方として、私は好きではありません。

一期一会で十分ではないですか?
似てる模様はいくらでも出ますけれど、一期一会と感じるところが良いのでしょ?

意味の無い実数を見ると、ペテンみたいに感じるのは自分だけでしょうか?

「万華鏡を回すと、指の運動になって寿命が伸びます」とか
「見るのに疲れたら、ダンベルとして用いて筋トレにもなります」というような
どーでもいい謳い文句と同じようなちょっとした嫌悪感を抱いてしまうのです。
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万華鏡よもやま話 その5

万華鏡の光の取り入れかたは、大きく二種類。
透過光と反射光。
透過光は、ケースの底に透明、半透明素材を使い光に向けて見る従来のタイプで、反射光はケースの横から光を入れるタイプ。
同じ物でも光の取り入れ方で全く異なる表情を見せるのです。

透過光では、オブジェクトは透明素材を用います。
オブジェクトを透かして見ている状態なので、影が出来づらく、淡く平面的な表情となりがちです。

反射光では、オブジェクトの立体感や、それぞれに作り出される影により、存在感が際立ちます。またキラキラと反射させる効果を狙うこともできます。

私の作る偏光タイプは、透過光を利用しますが、黒バックにすると透過光らしからぬイメージとなります。
立体的な表現も出来ない事は無いですが、影が出来ないので反射光の出す存在感には到底敵いません。

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